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グリーン・メイト「巻末雑感」から

 

各号とも時間をかけて、ていねいに書いています。もともと「編集後記」として書き始めたコーナーですが、書き始めていくとおよそ「塾」とは縁遠い範囲の内容まで触れてしまうこともあるので、今の名前に変更しました。

 

以前のものは、こちらからどうぞ…

 

 

2012年6月

■妙観察智(みょうかんざつち)

 

 難しそうなこの言葉は仏教の用語です。近寄りにくく感じますが、この言葉の意味するところは極めて易しいことなのではと思われます。
 最初の字「妙」は絶妙の妙です。それは「言葉では言い表せないほどすばらしい」といった意味を持っています。次の「観察」は文字通り理科の観察などと同じ観察で、対象となるものをじっと見ることです。最後の「智」は智恵のことです。全部合わせてみると、妙観察智とは「すばらしい見方で対象となるものを見ることから得る智恵」といった意味に解釈することができます。
 まだ、今ひとつ分かりにくいかもしれません。「すばらしい見方」とは何だ?ということになります。それは簡単に言えば「相手や対象の物と同じ気持ちに立った見方」でいいのではないかと思われます。よく「相手の気持ちを考えて行動しよう」などと教育の現場でも聞かれますが、あれに近いものと言えましょう。
 相手の発言を遮って発言したり、我先にと列を乱したり、図書館などで平気で大声で話したりなど、これでは妙とは言えません。あるいは彫像の一部を壊したり、道路にガムを吐き捨てるのも、石や道の気持ちになっていない、と言えます。物の気持ちと言うと変なようですが、どなたにもホッとする場所や、思わず話しかける写真や、大切なおもちゃなどがあるのではないでしょうか。これらがみな「物」です。
 周りとの一体感が薄れると、自分中心の行動になりがちです。楽なようで、そうでもありません。古い智恵の中にもヒントが隠れています。

 

2012年5月

10年の時を経て

 

 本誌で10年前にいったいどんなことを書いていたのか、ふと思いついて10年前の巻末雑感を見てみると、こんなことを書いていました。
 (ここから、02年5月号より一部転載します。)
 「オズの魔法使い」の中で、わらでできたかかしは、ピンとクギのつまった脳みそをもらいます。それでも、かかしはその脳みそを使って智恵を出し、ドロシィを助け活躍します。
 このようなことは、日常の中にもあって、当館の小学生に「これは、ちょっと難しいけれどね…」くらいしか言わないで、中学生の問題を出題すると、意外とあっさりと解いてしまうことだってあります。
 今年度(2002年)から授業時間が削減されることが大きな話題になっています。「時間削減」=「学力低下」という論調が主体となっているようです。
 一方で、既定の時間数より少なく授業を受けて入試に臨んだ中学校の生徒たちが、さほどの影響なく高校へ進学、という新聞記事が最近広島でありましたが、適切な例えではないにせよ、先のかかしの話とつながるところがあります。
 子どもたちの能力を引き出すのは、制度や環境であることも確かでしょうが、もっと本質的なものが子どもたちそのものの中に隠れているようです。周囲が大騒ぎしているこんな時だからこそ、私たち大人は短絡的でない姿勢で子どもたちに接したいものです。(転載ここまで。)
 10年前「ゆとり教育」と呼ばれ始まった制度は、10年の時を経て180度違う方向へ舵を切り始めました。今後私たち大人がどう接していくか、大きく問われていきそうです。

 

2012年4月

■夢や希望

 

 新年度を迎え、陽ざしにも優しい温もりが感じられる頃となってきました。新入学や進級されたみなさんには、いよいよ新しい生活が始まります。みんなが笑顔に包まれて、過ごしていける春となっていくことを望むばかりです。
 この時期は、お祝いの言葉や励ましの言葉を耳にする場面が多くなります。その中には、夢や希望という言葉が散りばめられることも少なくありません。「夢を見つけよう」とか「希望のある1年を過ごそう」などが、すっと耳に入ってきます。心地良いこれらの言葉を、ちょっと違った角度で見てみます。
 ある旅行作家がよく「私には夢も希望もありません」という言葉を使われていました。それは嘆いての言葉という訳ではありません。むしろ逆で、「現状に不平・不満を感じなければ、夢や希望を語る必要はないのでは…」という見方です。つまり、未来も大切だけど、何よりも「今」を大切にしようということのようです。
 夢や希望が抽象化されると、それがファンタジー(幻想)とすり替わってしまうことも多々目にしてきました。それは、ゲームやモバイル機器を使いこなす人にとっては容易なことのようにも映ります。(これもちょっと抽象的ですね)
 当館が、未来に向けて成長されていくみなさんの「今」に、どれだけ関われて役に立つことができるか、結構真剣に受けとめています。
 

 

2012年3月

■「考える」問題

 

 今年度の入試がいよいよ大詰めの時期となりました。入試を目前に控えた生徒さんたちは、連日真剣な様子で問題に取り組んでいます。みんなの表情が心からの笑顔でいっぱいになることを願うばかりです。
 ところで、広島県公立高校入試で数学の平均点を見ると、昨年度が100点満点で42.4点で半分ありません。この傾向は07年度以降ずっと続いています。少し細かく見てみますと、最初の計算問題では、ほとんどが8割を越える高い正答率です。ところが、2番以降計算問題が消えると、ガタッと正答率が下がります。問題によっては正答率が1割を切ります。この傾向がここ数年間なかなか変わりません。
 外からご覧になると、「数学=計算」と理解されがちですが、実際は随分違います。それは、問題に合う式を自分で作らないと解けない問題や、自分の言葉で説明を要する問題など、いわば「考えないと解けない」問題が、入試では計算問題よりも多く出題されているからです。
 この十年間、「自ら考える」機会が実質上少なくなってしまった世代の生徒さんには、上記のような問題は「つらい問題」と映るかもしれません。4月からの中学校での新指導要領完全実施には、そこへの反転のねらいもあります。
 入試へ臨むみなさん、やるべき事はやりました。どうぞ全力を出し切ってきて下さい。

 

2012年2月

■どうってことないって

 

 周りを見渡してみると残念なことに、何か一つのことにひたむきに取り組んでいる人に向けて、否定的な言葉を投げかけてしまう人たちがおられることを、見聞きしてしまうことがあります。
 それがうまくいかない理由を、蕩々と語る人もいらっしゃれば、感情的に嫌悪感を示される人もいらっしゃいます。中には、ただ茶化すことだけが目的と感じられる振る舞いをされる人もいらっしゃったり、実に様々な反応を示されます。その結果、そのひたむきな人は萎縮してしまい、事半ばにして気尽きてしまう、という結末になったとしても不思議ではありません。
 子どもたちの世界ではどうでしょうか?時節柄、ひたむきに学習に取り組む光景は違和感なく目に入ってきますが、先の否定的な人たちの言葉が耳の奥でリフレインしているなんてことはないでしょうか?その声に答えるかのように「どうしよう?」「そんなに勉強していない!」など、不安定を誇張するような言葉を無意識に多用していないでしょうか?
 一つだけ言えることがあります。それは、否定語を投げかける人たちも満ち足りてはいません。だから、そのような発振をなさるのです。不安定さでは同等かそれ以上かもしれません。そう、どうってことないのです。今、自分の将来へ向けて一つ事に向き合っている人、どうぞ臆することなくひたむきであって下さい。

 

2012年1月

■不死鳥

 

 伝説上の鳥ですが、永遠の命を持ち、百年に一度自らの身を炎で灼いて、その灰の中から再び幼鳥として生まれ変わるとされている鳥です。到底人の力の及ばない存在です。その神秘的な存在の不死鳥を、長きにわたって東洋でも西洋でも鳳凰やフェニックスとして語り継いでいます。
 不死鳥の伝説に、その血を飲めば不老不死になる、というのがあります。心惹かれる人も多いことでしょう。そうした人の中には、不死鳥の血を独り占めしようとする人も登場してきます。これは、手塚治虫さんの不朽の名作「火の鳥」の中でのことで、数多く見られる場面です。
 黎明編の中では、古代日本の権力者ヒミコが火の鳥を手に入れ、自身の老いを止めようとします。しかし、望みかなわずヒミコは老いてやがて命を終えていきます。どんなに力のある者でも、人智を越えたものは手にすることができませんでした。
 物語の中で火の鳥は、何百万年、何億年もの時間と、地球を含む宇宙空間を自由自在に行き来します。わずか百年の時を地表で過ごす私たちに、手塚さんは何を伝えたかったのだろうと、ふと考えたりもします。
 今年も地表では一分一秒を争うかのように慌ただしく動き始めました。その地表の営みの中にみんな身を置いています。不死鳥ならずとも、みんなの新しい年が良い年となりますように。

 

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