中学生のみなさんや保護者の方が高校入試のことを話題にする時、必ず出てくるのが「内申点」という言葉。どんな使われ方をしているでしょうか?例えば、「内申をもっと上げておかないと…」とか「○○をしておかないと内申にひびくみたい。」など聞かれますね。中には「内申点対策」などという言葉を目にすることもあります。
いずれも「内申点」を大切なものと意識してのことですね。この意識が生徒さんの日ごろの学習を大切にする動機づけにつながっていけば望ましいことでしょう。でも、ここでは「内申点」をあまり伝えられることのない視点から見て、生徒さんや保護者の方に役立てていただける情報をお伝えします。
そもそも「内申点」というのは具体的に何の数値なのでしょうか?ここをあいまいにしておくと、誤ったご理解から必要以上の不安を抱え込んでしまうことにもなってしまいます。この点については「調査書」と「内申点」について詳しく触れたページがありますから、ご一読していただければ全体像がお分かりいただけると思います。
批判的に聞こえると申し訳ないのですが、現状では「内申点」という言葉があいまいに使われている場合が多々見受けられます。入試に関わる言葉ですから、正確さを意識して用いないと生徒さんの進路にも影響が出てくる場合が考えられます。ここでも現実に即した記述を心がけます。
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(上からの続きです)
広島県で公立高校の入試制度について触れると、まず取り上げられるのが、「内申点:学力検査=130:125」で、ほぼ同等の扱いになるということでしょう。これは、選抜U(一般入試)でのことですが、入試説明会等が行われれば必ずお聞きになる内容でしょう。上の表は「平成20年度広島県立高等学校入学者選抜の実施内容」より抜粋したものですが、ここでは同じ選抜Uでも、上の表の中では赤く囲っている部分(「傾斜配点」ならびに「比重変更」とよばれています。)を重点的に取り上げていきます。
中でも大きく取り上げるべきは「比重変更」と思われます。比重変更とは何かと言えば、ほぼ同等に扱われている内申点と学力検査の割合を意図的に変更することです。例えば上の表で、青い字の比は学力検査を重視していますし、赤い字の比は調査書を重視しています。どちらが多いかは一目でお分かりいただけることでしょう。圧倒的に学力検査重視に変更がされています。
学力検査が重視されてくると、当然ながら入試当日の答案の出来具合が結果に大きく影響することは漠然と分かります。しかし「漠然と」のままなら、どんな風に影響してくるのか分からないままです。それに「自分は内申が高いから、そんなに心配する必要はない!」と、「漠然と」思い込むことも可能でしょう。確かに不要な心配なら抱え込む必要はありません。それなら、なおさらのこと実際に入試でどのような影響が出てくるか考えてみましょう。
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