(前のページからの続きです)
下のグラフをごらんになっていかがでしょうか?もう計算式を記すまでもないでしょうが、内申点:学力検査(検査点)=1:9の場合になると、内申点130点満点に対して学力検査での1問ずつには、およそ10点分の重みがあることになるのです。
3問正解が多くなれば、内申点80点の生徒さんは内申点110点の生徒さんに追いつきます。事実に基づいて記していますから、決して数字のマジックをご紹介しているのではないことはお分かりいただけるでしょう。
(下へ続きます)
(上からの続きです)
ここまでごらんいただきましたように、広島県公立高校入試の選抜U(一般入試)では、比重変更という方法で「調査書重視型」にも「学力検査重視型」にもすることができます。そして多くの学校が学力検査重視型を選択しているのです。全ての学校が同じ入試制度でなくてもいいと言っているわけですから、当然そこには選択をした各校の意志が背景にあります。比重変更ならびに傾斜配点は理由があって選択されているのです。
この頁をごらんになっている生徒さんや保護者のお子さんの中には、「学力検査重視型」の学校を志望される人がいらっしゃるでしょう。きっと多くいらっしゃるはずです。その方たちはこの入試の制度をどう思われどう受けとめられるでしょうか?
「わたしは内申点はけっこう高い方だから安心してたんだけれど、勉強もしっかりと頑張っておかないといけないみたい…」
「うちの子は通知書が低くて内申点で不利になりそうだから、○○高校は無理と思っていたけれど、これなら学力をつけていけば可能性があるみたい…」
こんなふうに思われるのなら、この制度はうまく機能しているのではないかと思われます。学力検査重視という制度は、頑張って勉強して学力を身につけてきたのなら、その努力が報いられるという側面が多く含まれています。受験に臨む生徒さんの「コツコツと学習する習慣を形成していく」ことの手助けになれば、より理想的です。
ここで書き加えておいた方が良いと思われることを記します。それは次のような問いです。
学力検査重視=内申点軽視?
いかがでしょう?学力検査を重視する割合が高くなれば、相対的に内申点の割合は低くなるわけですから、このような結論づけも十分ありそうなのですが、当方は下記の立場から本稿を書き進めています。
それは違う。まず言葉の使われ方を検証
ここで申し上げているのは「内申点を軽んじる」ということとは違います。不遜ながら、そんな陳腐な結論のために本稿を書いているわけではありません。生徒さんの立場に立った正しい情報をお伝えすることが主眼です。反対の立場では「内申点のみが重要」という見解もあるわけでしょうが、少なくともそれが現状には則していない裏付けにはなるのではないでしょうか?
そもそも「内申点」という言葉は「通知書」や「評定」などとは意味が異なるのですが、「成績」という言葉でひとくくりにされると、本来尊重されるべきことがらが分かりにくくなってしまいます。1頁にも記しましたが、「調査書」と「内申点」について詳しく触れたページで、この点について詳しく触れています。ご一読いただければ幸いです。
そろそろ次のページでまとめに入りますが、そこではもう一つだけ書き加えます。それはもう一つの問いについてです。「それって、一部のことでしょ?」…軽い問いのようですが、ここには大切なことが含まれているようです。この問いについて、次のページで少し詳しく触れてみます。
(次のページへ続きます)