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入試事情の動向から

 

  大学進学データから読み取れること
 

ここには、いくつかのデータをあげてみますが、数値を羅列することが目的ではありません。それらの数値は、意識して見ますと何かを語っていることが分かります。しかも、それは読み取る人の主観で変わるようなものではなく、誰が見ても否定することのできない事実であることに気づかされます。できればそのことを、高校や大学を目指す多くの生徒さんや保護者の方が認識なさることが、より適した進路選びにつながるという思いで記します。

 

文部科学省の資料、平成23年度「学校基本調査」によれば、今春高校を卒業した人はおよそ100万8千人です。そのうち大学(四年制)へ入学した人はおよそ48万6千人ですから、現役高校生の約半数が大学へ進学したことになります。要するに、大学進学率は50%弱ということになります。

 

また、18歳人口の大学進学率というデータがあります。1971年で19.4%1986年で23.6%、2011年で51.0%ですから、大学へ進学する人の割合は、ここ30年間で急激に伸びていることが分かります。そのことは、同時に「大学卒」の人がより多く社会へ出て行くということにつながり、年数を経るにつれて「大学卒」を重宝する度合いは相対的に低下してきていると言えましょう。(ここは、あくまでも推測です。)

【DATA】大学進学率(18歳人口)

 

  1971年:19.4%→1986年:23.6%→2011年51.0%

それでも、東京大学や京都大学など有名難関大学となると、どうしても一目置いてしまう傾向が依然根強く残っています。疑問をはさむ余地なく、それらの学校は無条件に肯定すべき要素として受け入れられます。その裏付けのように、広島はもとより多くの地域で東大・京大を含む国立大学あるいは公立大学が、一つの括りとして数値化されてステータスを示す指標として多く用いられています。すなわち、事実かどうかは別として「国・公立大学=難易度の高い大学」という前提が成り立っているのです。

 

高校のHPやパンフレットに「国・公立大学○○名合格!」というのをご覧になったことがあろうかと思いますが、そのことです。つまり、国・公立大学に何名合格者を出したかということが、広島地区に限らず少なからぬ地域で、学校間のランキングを決定する要素の一つにされてしまっている、と言っても過言ではないでしょう。そして、それは高校選びの重要な要素として機能していることも間違いなさそうです。

 

ここで、データに戻ります。今春、大学(四年制)に入学した総数はおよそ61万3千人、そのうち現役が48万6千人ですから、現役率はおよそ79%ということになります。この大学入学者の内訳を見ますと、国立大学におよそ10万2千人、公立大学に3万人、私立大学に48万1千人となります。国・公立大学を合わせると13万2千人となり、大学入学者全体の約21%となります。また、現役率が79%ですから13万1千人にこれをかけると、だいたい10万人ということになります。これが現役の国・公立大学入学者ということになります。

【DATA】進学状況概要

 

つまり、今春の高校卒業者は約100万8千人でしたから、現役で国・公立大学へ入学した割合はおよそ10%ということになります。全国の高校ではおしなべて、10人いれば1人が国・公立大学へ進学するというのが紛れもない事実なのです。約10%が全国の標準、これを予備知識として持たれて現状の高校の事情をご覧になると、少し見方が変わるのではないでしょうか。

【DATA】ご参考

 

国・公立大学入学者の数は、全入学者のおよそ21

高校卒業者の現役で国・公立大学へ入学する割合は約10

広島県には、県の方針として「トップリーダーハイスクール」と称する進学に重点を置くことを責務とした県立高校が5つあります。これらの学校では国・公立大学への現役合格率を概ね50%を越えて維持しています。また、それに準ずる「チャレンジハイスクール」15校設置されていますが、これらの学校でも同数値が大方25%以上で推移しています。「10%」と比べてどれだけ高い設定であるかが分かります。

 

また、標準の10%をはるかに超える国・公立大学現役合格率を維持するために、標準的学習指導以上のことがどれほどなされていることか、容易に推察できます。そのことを念頭に置かずに進路を決定し、入学後に実状を理解し、現状への対応に苦慮されるケースもおそらくあることでしょうが、そのような事態はできれば避けたいものです。

 

総じて各高校の広報活動は、国・公立大学への進学実績、とりわけ数値の表示に重点が置かれがちです。準じて実績に不足があれば、その向上へ向けての方策、手法等を強調されます。しかし、前述の通り全国の国・公立大学入学率は平均して10%です。25%以上で「進学校」と認知されるのであれば、全ての学校が進学校になることは物理的に不可能です。それでも、右肩上がりを標榜するスタンスは当面続きそうな気配です。

 

常に前年対比をプラスにすることを求められるビジネスの世界と同じだという声も聞こえそうですが、最初に申し上げたように、ここでは事実をお伝えすることに主眼を置いて記しました。現状に対する当館の思いは、別の項でお伝えすることに致します。

 

クョスコニョ    [1] 
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