2001年の秋から近隣の学習塾の先生方と小さな勉強会をしています。今もって名前がついていないので、「名前のない勉強会」とご紹介します。不定期に年に数回行ってきていますが、気がつくともう6年近く続いていることになります。
「名前のない勉強会」には年間計画のようなものがありません。必要と感じた時に必要な内容で行って、必要とされる方がお集まりになる、そんな形で行ってきた勉強会です。ご参加される先生方が、みな対等でお互いの考え方を認め合う、このようなスタンスが基本ですから、当然不要な拘束など生まれません。それゆえに未だに名前がないのでしょう。
この会の性格をひとつあげてみると、生徒獲得など「利害得失」の話題にほとんど触れません。かっこよく言えば、商業政策をベースに共通の目的のために集まる会とは一線を画する、といったところです。先般、会のお仲間の方たちと訪問した公立高校でお会いいただいた校長先生とも入試の話題には一切触れなかったくらいです。その時は求めるものが全く違うところにあったからです。
それではいったい何をやっているのかと思われるかもしれません。想像されるであろう一つの予想図に対して先にお答えするなら、「当たり障りのない薄い内容で、居心地のよい場を提供する会」ではどうやらなさそうだ、というです。当館は別として、お集まりいただく先生方はそれぞれの地域への貢献も、教育に対する見識も高い方たちばかりです。そんな内容でお越しになるレベルの方たちではありません。いわば「奥深い眼力」を「柔らかい布」に包んで、それでいて本当に柔らかい雰囲気でいつも会は進んでいるのです。
つい先頃、新年度になって初めての「名前のない勉強会」を行いました。少しばかりその時の様子をご紹介します。最初の導入はいつも決まっています。ご参加いただいた先生方全員にご発言いただきます。近況ご報告がベースになるのですが、順番が回って単調になっていくパターンは避けたいものです。毎回少し「ひねり」が入ります。
今回のひねりで登場したのは「マトリックス図」です。初めて参加された方もいらっしゃったので、各先生方の内側を知っていただこうと、縦軸に「喜びの感情」、横軸に「喜びの表現」を置いて、0〜100までの座標で自分の位置を示し、それにまつわる話を加えていただきます。いろいろな話が飛び出し幅が広がります。ご出席の人数も多かったため、これだけで1時間近くかかります。
その後、学習塾の役割に関するディスカッションを経て、今回の最後は情報提供・提言の時間です。ご参加された方の中に不登校・引きこもりの方を支援する活動をされている方がいらっしゃいます。この方から実状を説明していただきました。ディスレクシア(読み書き困難)の症状など、相当数の児童・生徒が抱えている実態は一般的にあまり知られていません。それゆえに事態がかえって悪くなるメカニズムなど分かりやすく説明され、教育に関わる学習塾の方たちが深く理解して頂くことを提言されます。ここでは書ききれないほどの深い内容ですから、詳細は別の機会に致します。お話しされたのは次の方です。
○学習・自立支援スペース 日々生(ひびき)/代表 日比正規さん
ご関心がおありの方はこちらをごらん下さい。
「名前のない勉強会」は特定の組織・団体を特別に支持するというスタンスはとっていません。その時その時の場面で個々の先生方でいいと思われるものを受け入れ、お役に立てるところをそれぞれで協力し合う、というスタンスが自然の流れになっているようです。これからも、このようなスタイルが続くのではないかと思われます。次回の予定はまだ決まっていませんが、また先生方とお会いできるのを楽しみにしているところです。
(07.6.16)
◆「お仲間希望」の先生がいらっしゃいましたら…
どうぞ気軽にご連絡下さい。お互いが必要な時に助け合えればいいかと思います。ささやかな活動ですが、いろいろとできることはあるでしょう。よろしければお声がけ下さい。