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青葉学習館発の「話題」

 

 

  佐古利南先生の講話から
   

学習塾の先生方の勉強会で…

 

特別講師 山口県立高校元校長/佐古 利南先生

先日、今年度最初の「名前のない勉強会」を開きました。今回はゲストとして、以前『立腰(りつよう)教育』についてお話下さった佐古利南先生に再び来館いただけました。先生は様々なデータを示しながら、今の子どもたちが抱えている問題、その原因、その対策などについて、1時間半にわたりお話しくださり、大変勉強になりました。そのお話の中からいくつかをご紹介します。

 

 

講話1.最近の子どもに足りない3つのもの 

                             

今の子どもたちに足りないものとして先生が示されたのは「自己肯定観」「学校への誇り」「他者肯定観」の3つです。自分に自信が持てない子ども、「こんな学校来るんじゃなかった」とグチる子ども、狭い範囲の友だちとだけつき合い、大人の話を聞かない子ども。このような子どもたちの状態を、先生は「いのちの炎が消えかかっている」と表現されました。

 

 

講話2.いのちの炎を燃やすもの

                                       

いのちの炎(=やる気・意欲)を盛んに燃やし、生き生きと目を輝かせているのが子どもの本来の姿です。しかし、その炎を燃やす薪となるもが欠けると炎はどんどん小さくなっていきます。先生はいのちの炎を燃やすものとして「食事と睡眠」「自尊感情・誇り」「夢・希望」の3つを示されました。このうち「食事と睡眠」については。百マス計算で有名な蔭山英男先生が提唱された「早寝・早起き・朝ごはん」と学力の相関関係でご存知の方も多いと思います。

 

 

講話3.誇りを育てるもの

                                           

佐古先生は在職中に、停学処分を受けた生徒を朝早く登校させ、いっしょに黙々と徹底的にトイレ掃除をされた経験をお持ちでした。その日の生徒の反省日記は、いつにも増して雄弁で、その中に次のようなことが書かれていたそうです。「こんなわたしでも人の役に立ててうれしかった。」この子は、きれいになったトイレを見た誰かが驚き喜んでいる様子を想像したのでしょう。人の喜びが自分の喜びになる。このような経験が自信を育てます。人の役に立つ行為が誇りを育てるのです。

 

また先生は、子どもへの「あなたは大切な存在なんだ」というメッセージが子どもを変えると言われました。「あなたはあなたでいい」と大人が認めることが「自分は自分でいいんだ」という自己肯定観となり、それが誇りに育っていくと。ところが、「勉強しなさい!○○しなさい!」「あなたは○○ちゃんに比べると…」などの言葉で、子どもに劣っていることを告げることは、いのちの炎に水をかけるようなものだということでした。その忠告が薬になるか毒になるかは、子どもの側の問題ではなく、大人の方に問題があるのかもしれません。

 

 

講話4.夢を育てるもの

                                                     

6月に、岩国で佐古先生方がお世話されて開かれた『オール1の落ちこぼれ、教師になる』(角川書店)の著者の宮本延春先生の講演会へ行ってきました。当館でもお子さんを通じてご案内しましたので、行かれた方もいらっしゃるでしょうが、夢や目標がどれほど力の源になるかを感じられた講演でした。その講演会の後の出来事を、佐古先生が教えて下さいました。宮本先生は、地元の局のインタビューで、「子どもにはあらゆる可能性があるというのはウソだ」と答えられたというのです。もちろんそれは単に子どもの可能性を否定するような浅い言葉ではありません。「あらゆる可能性がみんなにあるというのはウソ。あらゆる可能性あるのは、目標・夢を持つものだけ」ということなのです。

 

目標なしに努力することは苦痛であり不安なものです。勉強も同じです。目標もなく勉強するのはいやなものだし、気も進みません。しかし、「○○したい」という目標に出会うことができれば、同じ努力でも得るものは全く違ってきます。「夢や希望を持ち、それに向かって努力する人生は、必ず実り豊かなものになる。心に決めた目標を持つとき、可能性は最大限に開花する。」これが宮本先生の真意なのです。


とはいえ、全ての人が自分の夢に出会えているとは限りません。まだ出会えていない人もいるでしょう。そういう場合はどうすればよいのでしょう。その答えは「夢のない人は、目の前の人を喜ばせなさい」でした。「その繰り返しの中で、紛れもない自分自身の役割にたどり着く。人に喜ばれることを繰り返すうちに、その人自身の夢も育つ。」つまり、人に役立つことが夢や誇りを育てていくというわけです。それは小さなことからできます。落ちているゴミを拾う、明るく挨拶する、ちょっとしたことから始められるのです。

 

 

講話5.“偽りの誇り”で自己を保つ若者たち

                                 

佐古先生のお話は、まだまだありましたが、最後に一つ、気になったことを挙げさせていただきます。先生は、『他人を見下す若者たち』(速見俊彦・講談社現代新書)という本を紹介され、「最近の若者たちは、周囲の人々の能力や実力をいとも簡単に軽視し否定する。そうすることで自分の体面を保ち、無意識のうちに自分の価値や能力を保持し、高めようとしている」という現状を示されました。他人を見下すことによって生まれる“偽りの誇り”、その典型が“いじめ”などの事件であると。

 

みなさん、いかがでしょうか。お家でお子さんが話される内容は楽しい話題が多いですか?それとも、人の悪口が多いですか?もし後者であるならば、軽く聞き流すだけでなく、お子さんの様子をしっかり見てあげてください。もしかしたら、それは人を見下すことで「あの人よりは自分は優れている」という“偽りの誇り”(=仮想的有能感)が言わせているのかもしれません。

 

クョスコニョ    [1] 
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