気がつくと、いつの間にか2月になっていました。このページに書きたいことはいつもあれこれと湧き出ています。ふとひらめいたことを、「あっ、これ書きたい。」と気持ちは前に進みながらも、このページにたどりつくまでには、どうしても障害物レースになってしまいます。
最近だって「よし、書くのなら今だ!」と空いた時間に画面に向かうのですが、そんな時には「先生、これ教えてもらえますか?」と受験を目前に控えた生徒たちがアドバイスを求めてやってきます。なかなか直線コースを走れません。
もちろん、生徒たちを恨みがましく思う筋合いのことではないのです。目前に迫った入試に向け真剣なるがゆえに質問してくるのです。それなのに「うーん、今から君たちのことを書こうと思ってるのに…」などと思っている様子は、我ながら何と器の小さいことでしょう。生徒のみなさん、ごめんなさいね。先生は喜んで質問にお答え致します。
さて、ここからが本題です。そして学習塾らしい話題に触れるのは本当に久しぶりです。今がどんな時期かと言えば、まさに受験シーズンの真っ直中です。当館でも来週に入試を控えた中3の生徒たちが連日のように来館し受験の準備に取り組んでいます。
この近辺の高校では、来週の月曜日に推薦入試が行われます。広島では公立高校の推薦入試を「選抜T」と呼んでいますが、当館の中3生もまさにこの準備に追われています。当の本人たちや保護者の方たちは十分ご承知のことではありますが、選抜Tで実施されるのは大まかに言って「面接」と「小論文」だけです。英語や数学はありません。
そうなると、当然準備すべきこととなるのは面接の練習や、小論文指導となります。「最後の追い込み」で英語や数学の問題と向き合っている光景とはかなり異なります。図らずもこれまでの人事担当の経験がこんなところで役立ちます。模擬面接を採用側の視点から見ることを心がけ、相当臨場感のある指導を実施しています。小論文指導の担当者とて同じことです。ここ数日、当館の中はその準備で異様とも思える活気に包まれています。
推薦入試が導入された背景にはいくつかの事情があります。ここは休憩室ですから大まかにだけ言いますが、その中のひとつに「学力では計れない、その生徒の才能を見いだす」という趣旨があったように思います。そのための「面接」であり「小論文」なのでしょう。本来は自分のいい所をどんどん見てもらうための入試というわけですね。
とは言え、面接にせよ小論文にせよ、大半の生徒たちにはつい数週間前まではほとんど関わりのなかったことでしょう。「面接」なんて教科はありませんから…。どうしても短期間の「急速充電」になりがちです。敬語を使いこなすことに意識を使い、場合によっては指導者の方からそつのない「模範解答」を教え込まれ、その暗記に集中します。その人の長所が活かされたスピーチや論文といった域まではなかなか届かないかな?という気がします。
例えば、いくつかの他の県で実施しているように受験者は全員面接を受けるようにするとか、中1の頃から「話す」「書く」ことにもっと力を入れた授業が導入できれば、この制度はより活かされるのでは、と思ったりします。でも、全国的に見れば、推薦入試はなくなっていく傾向にあるようです。(推薦入試に関する制度的考察は、いずれ別のコーナーで書きたいと思います。)
それから、当館周辺地域の志望先の学校の大半は倍率が2倍を超えています。(3倍超だってありますね。)現実的に推薦入試終了後、再度入試に臨む生徒さんが半数以上になるわけです。その時には、また英語・数学…の学習に戻っていくことになります。決して目先の視点だけに陥ることなく、穏やかに自分の進路を見すえることを、これから受験に臨まれるすべてのみなさんに望むばかりです。
いよいよ本当に近づいてきました。この数日間は自分と向き合う貴重な経験をされた方も多かったことでしょう。あとは本番に臨むばかりです。みなさん体調を整えて頑張ってきて下さい。
(08.2.3)