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ちょっと休憩室で…

 

 

ホームページを気を入れて作ってみると、「こんなにエネルギーを使うものか」と実感しました。ささやかなサイトに過ぎないのですが、それでもです。

このページは、特にテーマを設けず、その時々のことをちょっと息を抜いて書き込ませていただく、という制作者が休憩させていただく勝手なページです。申し訳ありません。

 

 

 

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   シェルドレイクの仮説
 

先日、中2の社会の授業にピンチヒッターで入りました。歴史分野の最後のところで、その日は「戦後の日本の復興と課題」についての内容でした。文科系出身(法学部)の自分にとって、この範囲はテリトリー内なのですが、どういう巡り合わせなのか、この業界へ入ってからはずっと理数系を中心に担当しています。おかげで理数の知識も発想もいろいろと身につけられたのでは、と思います。それに数検の資格だって取れましたしね。(現在準1級計算技能まで…生徒だけではありません。先生だってやるんです。)

 

それはさておいて、戦後の日本についてもう一度おさらいしてみました。後半からは自分もライブで歴史を共有していますので、実感を持って確認ができます。例えば1960年代はどんな時代だったでしょうか。その頃は「岩戸景気」と呼ばれる好景気の中、二桁の経済成長率で始まり、生活がだんだんと豊かになってきた頃です。「中流意識」なんて言葉が生まれてきました。

 

60年代後半には、国民の所得水準がさらに上がり、車・クーラー・カラーテレビの3Cが「新・三種の神器」と呼ばれ、日本は世界第2位の経済大国となります。一方で経済成長を優先するあまり、人は都市に集まり農村などの過疎化が顕著になってきます。公害問題も深刻になってきました。改めてそんな時代だったかのと思いますが、これは最近どこかで聞いたことがありそうです。あの「オリンピックの国」だったでしょうか。それに、この頃には日本の赤字国債の累積はもう始まっていたのですね。

 

もうちょっとだけ時代を進めます。70年代初頭から国際競争力の強化を目指して企業の大型合併が行われます。ところが数年経ってイスラエルやイランなど中東の事情から原油の価格が2度にわたって一気に上がります。「オイルショック」と呼ばれたこの出来事で「狂乱物価」と呼ばれるほど物の値段が上がっていきました。なぜかトイレットペーパーなどをスーパーで並んで買い占めたあの頃です。生徒のみなさんはまだ生まれていませんね。

 

そう言えば、1978年の第2次オイルショックから今年で30年目です。今はといえば、灯油やガソリンの値段が高騰し、食料品の値段も上がってきています。1円でも安いガソリンや小麦製品を見つけて幸せに思うのは切ないけれど、決して少数の人たちの話ではないですね。ちょっと当時と重なるところがあります。それから今日の新聞には、「鉄鉱石を65%値上げ」の見出しがありました。70年代初頭の大型合併には新日本製鐵の名もありました。

 

今回のタイトルは、同名の仮説を紹介する書籍から引用しました。およそ10年前のものですが、「何だか、いろんな所で同じことが繰り返されているな」と考えていて、ふとこの書籍のことを思い出したのです。どんな内容か素人が荒っぽく言わせていただければ、「過去に起こったことは、また起こるし起こりやすくなる。」といったことかと思います。それをいろんな実験を通してヒトだけでなくトリやサルなどにも証明を試みています。改めて読み返してみると面白くもあります。

 

例えば、「新聞のクロスワードは翌日の方が解きやすい」であるとか、「一・三・八・一五の符号」(鎌倉・室町・江戸の将軍・執権の代のこと)など、少し踏み込むとはまり込みそうな項目がズラッと並んでいます。事の真偽はともかく、現状を言い当てている部分が多くあります。個人でも、何十年と隔てて、周りの人も環境も全く変わっているのに、ずっと前とおなじパターンで事が進むということはないでしょうか?

 

難しいことは分かりませんが、ちょうどDVDに画像データが保存されていくように、個々の出来事が「形」としてその「場」に保存されると考えたら分かりやすいのかもしれません。そしていろいろなタイミングで、そのデータは開かれながら未来の出来事が作られていくなら、似たような出来事も起こり得ます。

 

個人でも集団でも組織でも、自分たちで作り上げた今の状態がベスト、といった思いが慢心を生むことがあります。それに対して「今が最高の高みに立っていると思っているようだけど、実は同じことは以前にもあったことなんだよ。」と言われているような気もします。お仕着せの道徳律などではあまり気持ちが動きませんが、これはちょっと気が引かれます。

 

同じ理屈で行けば、いじめや凶悪犯罪も一度形作られると負の形で場が形成されることになるでしょう。その「負のデータ」は目にすればするほど情報量も増して再現の場も増えていく、ということになるのかもしれません。こうした情報の過剰報道は必ずしも良いことではないような気もします。意図的に行われているとは思いませんが…。

 

それにしても、イヤなことが起こるとその情報は蓄積されて、その後は無限ループのごとく繰り返されるとするならば、それはいいものではありません。未来に希望の持てない世の中など、若い人たちに託すことは気が進みません。「所詮そんなものだよ」なんて言葉は間違っても使いたくないものです。

 

先の書物の中では、負の連鎖を断ち切るために「それに対抗できる強力な場」の形成を説かれています。それは既存の発想にとらわれていないものでなければ過去のデータが発動して再現パターンに陥ってしまいます。しかも奇をてらうだけでは通用しません。その役割を果たすのは、やはり若い人が中心かなと思います。

 

長くなってきたので詳細は他の機会に移しますが、日本青少年研究所の「高校生の意識調査」の結果を見ていて、日本の高校生は大人が考えているより利他性というか「人のために」という気持ちが強いのではないかと思いました。今は私たちのようにずっと上の世代が彼らのサポートをどこまで本気で考え実行できるかが大きなポイントとなってきているように思うのです。

(08.2.19)

 

クョスコニョ    [1] 
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