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ちょっと休憩室で…

 

 

ホームページを気を入れて作ってみると、「こんなにエネルギーを使うものか」と実感しました。ささやかなサイトに過ぎないのですが、それでもです。

このページは、特にテーマを設けず、その時々のことをちょっと息を抜いて書き込ませていただく、という制作者が休憩させていただく勝手なページです。申し訳ありません。

 

 

 

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   思考拡散につき、まとめられない話題2
 

また、この頁へ来るのに間が空いてしまいました。何をしていたのか分かりませんが、気がつけばカレンダーを1枚めくっていました。だんだんと穏やかな秋の気候になってきて、頭の中の「ヒートアイランド現象」は徐々に治まってはきているようです。かといってスッキリとした頭かと言えばそうでもなく、相変わらず、ああでもないこうでもないと脳内討論会は活発です。ここではもう一度、前回と同様のタイトルで書きはじめていくことに致します。

 

その1.進路指導考

 

何がまとまらないかといって、現在これは代表格の一つとなるような気がします。共感される方も多いのではないでしょうか。それは、受験シーズンが近づいてきたから、という単純な理由からではありません。むしろ、残る期間が短くなればなるほど目標が明確になっていますから、迷いはなくなってきます。指導・サポートする側の者としては、むしろ個々に応じた対応がしやすくなるというものです。

 

ところが、です。さらっと書きましたが「目標が明確になる」というキーワードにスポットをあててみると、実はその言葉から鮮明な映像は浮かび上がってこないのでは、と感じるのです。それは、当事者である生徒さんや保護者の方のみならず、私たちのような進路決定のお手伝いをしている者ですら、そうであるようです。

 

学習塾の人間が、なんと心細いことを、と思われるのかもしれませんが、そんなことではないのです。「現状把握不十分」などという言葉で言いきれるものではないようで、むしろ実態に直面し、「現実対応」をすればするほど、現状整理を試みる頭の中は攪拌されていくと言ってもいいかもしれません。頭の整理を支援するツールがどこにも見当たらないのです。

 

例えば、進学を目標として学校を決めるとしましょう。すると、高校選びならば、当然その学校の大学進学実績を重要な判断材料のひとつとするでしょう。その学校から何割くらいの生徒が大学へ行くのか、あるいはもっと進んで、国公立大学に何名合格しているのか、いわばその学校の「進学成功率」を共通のバロメーターとして用いている実態があるのです。

 

その値と評価はほぼ比例していて、数値の高い学校へ進学できれば、周囲からも賞賛や羨望の眼差しで見られることもあることでしょう。そして当人たちも、最終ゴールへ滑り込み、瞬間的には目標を達成できたと思い込むことのできる土壌が充分すぎるほどに整備されていると言っていいでしょう。こうした場面では、「現実対応」も充分すぎるほどに思考を攪拌させていくのです。

 

文部科学省の「学校基本調査」によれば、今春全国で高校を卒業した人は約106万3千人、そのうち大学へ進学した人は約50万8千人、率にして約48%です。内訳は、国立大学入学者は約7万8千人、公立大学入学者が約2万4千人です。国公立大学を合わせても約9.6%です。つまり全国の同学年から国公立大学へは、10人に1人しか物理的に行けないという事実が存在しています。40人学級で4人まで、というイメージです。

 

それが、先に触れたような、数値も評価も高い学校では、国公立大学進学率がどれくらいかというと、当館が調べた範囲では、ある私立男子校が断トツです。80%を軽く超えます。それに続き各地域の希望者の多い公・私立高校が、高いところで6%を越え、低いところでも3%前後を保っている現状が見られるのです。全国で9.6%に対する数値ですので、それが何事もなく維持できているとは考えにくいことです。そこに生徒さんが意識を向けるだけの土壌は整えられているのでしょうか。

 

もう少しだけ、進学を目標とする生徒さんの個々の立場で考えてみます。例えば、国公立大合格率48%の高校を志望しているとすると、「半分近くも合格できる」と期待感が膨らむでしょう。でも、それはあなたのことではないかもしれないのです。52%の方は、望んだか望まないか分かりませんが、違う進路を歩んでいかれます。いずれかの進路に、より高い価値を見いだすものではないことは、後に触れるとしても、「目標を明確にする」ということは、現実の中で、そんな表面的なものではないと言えそうです。

 

一方で、こうした進路決定とは違う向き合い方をされる生徒さんも、多数いらっしゃることでしょう。それをちょっと雑な言葉で表現すれば、「何も無理して、そんなに難しいところへ行かなくてもいいじゃない!」このような考え方と言っていいでしょうか。これを、一歩引いた「消極的な考え方」と一括りにしてしまうのも、どうやら現実とは一致していないように思えます。なにせ、2人に1人が「大学卒」の肩書きを持って社会へ巣立っていっているのです。大卒ブランドの効力はきわめて限られたものになっている、と言ってもいいかもしれません。

 

かといって、「国公立大学」ブランド、あるいは「有名難関私大」ブランドを身に付けられるのは10人に1人です。これはちょっとハードルが高そうです。ならば「10人中9人」の方へ所属することで、自分の、あるいはお子さんの人生が何かしら阻害されてしまうとは考えにくいのも事実だと言えましょう。むしろ、「現状をよく見た」判断である、と感心してしまう部分も多分にあるのです。

 

そんな中で、無理のない緩やかな進路決定をするという動きは、もう一つの大きな潮流になっていると言ってもよさそうです。また、こうしたニーズを満たす入試制度が、時流に合わせるかのように多くの学校で見受けられもします。近隣各地域のお仲間の先生方からも「程々に進路を決定していく傾向が見られます。」という声を聞かせていただくことが、最近は少なくありません。

 

それに、言うまでもなく「10人中9人」ならば多数派です。周りを見渡せば自分と同じような進路選択をする人が大半です。不安が入り込む余地などないかもしれません。受験時に起こりがちな、周りから分離した感覚を味わうこともありません。(心の奥深くでどうかは、また別かもしれませんが…)そんなところへ無理矢理不安を押し込んで、「10人に1人」の世界へ目を向けさせようするのは現実的ではないし、賢明なサポートとは言えそうもありません。

 

近年は、ここに社会情勢の変化など、別の要因が進路選択に関わることが例外ではなくなってきました。重要なことであるので、サポートする側は「軽々に」触れることではないように思われます。求められれば、必要に応じた情報が提供できるようにしておいて、現状把握・現実対応に徹する姿勢が適切のように思います。不安を煽って進路の軌道を主観で方向付けるようなアドバイスはあまり望ましくはないような気がしています。

 

総務省統計局のデータによれば、本年4〜6月期における年齢階層が1524歳の、在学中の人を除いた雇用者数は427万人、前年比21万人減です。そのうち非正規雇用の人が120万人、率にして28.1%です。また、本年9月度のデータによれば、完全失業率が5.5%であるのに対して、1524歳で見た率は9.8%と、すべての年齢階層の中で一番高いことが分かります。

 

データのとらえ方は個々によって違うでしょうが、これから社会で活躍してもらわないといけない若い人たちには、決して望ましいとは言えない状況が現存していると言わざるを得ません。ところが、生徒さんたちに無関係とは言えない、こうしたデータに触れることは進路決定の機会には、さほどないというのも実状でしょう。そんな中には、意図的に「触れない」という状況も少なからず見受けられることです。

 

今、学びの中にある生徒さんたちは、確実に数年以内に社会と接点を持つことになります。そのような状況の中で、「明確な目標」を定めていくために、いったい何が拠り所の役割を果たしているのでしょうか。あるいは「これだ!」というものを、みなさんは持っていらっしゃるでしょうか。

 

そろそろ、まとめに入りたいのですが、まとまらないから長々とここまで書いてしまっています。未整理の頭の中には、また新たな緊急議題が次々と入り込んできます。28.1%や、9.8%の中に、頑張って『10人に1人』の中に入った人たちはいないのだろうか?」「その『10人中1人』ところへ、4人も5人も行かせることを、100校中10校以上がやり出したら、物理的に不可能になるではないか?」「この単純なことを、みなさんはご存じなのだろうか?それに…」………

 

やっぱり、まとまりそうにありません。いったんこのあたりにしておきます。

(09.11.7)

 

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