先日NHKのある番組でスペインの人が歌を歌っていました。歌っていたのはアニメ「マジンガーZ」の主題歌です。そのミスマッチに気をひかれたこともありましたが、「マジンガー」と聞くと忘れられないシーンがよみがえってくるのです。
1970年代半ばに放映されたアニメですから、今からもう30年も前の作品になります。設定がロボットの頭部に人間がドッキングして操縦するという、それまでになかったパターンで新鮮でした。そして最強強度の超合金Zで機械獣を倒すというストーリーは、毎回わくわくして見ていたように覚えています。
ところが、最終回は違っていました。悪者の本拠地へ乗り込みボスを倒したものの、新たな悪者が登場します。無敵を誇るマジンガーZはそれまでとは強さのケタの違う戦闘獣によって大ダメージを受けてしまいます。このシーンです。子どもながらに目を覆いたくなるほど無惨なまでにマジンガーZがやられ、再起不能なまでにボロボロにされてしまいます。アニメだと分かっていながら、とんでもない無力感・絶望感をブラウン管から突きつけられました。
その時です。確かこんな会話だったと思います。
「鉄也くん。出動準備はいいか?」
「所長。今度こそ本当にいいんでしょうね?」
そして、どこからとなく現れた新しいロボットは、圧倒的な強さでマジンガーZを窮地に追い込んだ戦闘獣たちを、いとも簡単になぎ倒していきました。これが「グレートマジンガー」の初登場シーンでした。何とも言えない爽快感でした。
ヒーローの登場に、心躍らす子どもの頃の気持ちは、「おじさん」になった今でも心の片隅に残っているようです。そしてこのシーンを名場面として記憶されている同世代のお父さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみにスペインにはマジンガーZの銅像が建っているのだそうです。
(07.2.22)
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