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ちょっと休憩室で…

 

 

ホームページを気を入れて作ってみると、「こんなにエネルギーを使うものか」と実感しました。ささやかなサイトに過ぎないのですが、それでもです。

このページは、特にテーマを設けず、その時々のことをちょっと息を抜いて書き込ませていただく、という制作者が休憩させていただく勝手なページです。申し訳ありません。

 

 

 

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   「正しい」こと・「楽しく」なくなること
 

今は、ちょうど夏期講習会の真っ直中です。連日、昼に夜にと生徒たちが元気よくやってきます。この時期は、なにかと体力を消耗しがちな時期です。今年は、夏休みを迎えた最初の頃はなかなか終わらない梅雨の中にあって、「猛暑」という言葉が「豪雨」という言葉にかき消され、「暑さ」に対してよりも「湿気」に対して、臨戦態勢を強いられていたようです。

 

それがここへきて、かんかん照りの夏の暑さが主役を奪い返すようになってくると、すでにスタミナは奪われ、湿気を背後に従えたこの新たな強敵と対峙する意欲も奪われがちです。もう一度申し上げますが、そんな中にあっても生徒たちは元気よくやってくるのです。私たちのバテ気味な様子を尻目に、時には余力さえ見せる涼しげな生徒の様子に、恨めしささえも感じながら真夏の日々を過ごしています。

 

日中に放射される太陽からの熱は、夜になっても体内から発散しきれず、残された熱エネルギーはみな脳へとのぼっていくようで、そうなると体力は奪われていても頭はかえって冴えてきて、細かいことでも見落とすことなく、「鋭い指導」となって生徒たちに放射されていきます。(決して「気が立っている」のとは違います。ええ、違います。)

 

さて、そろそろ本題と致します。先の「鋭い指導」のように、勉強へ目を向けさせようと力の入る場面があります。結論から言いますと楽しくありません。そのことを少し気楽に書いていきます。まずそれは、どんなに暑かろうが、じめじめしていようが、あるいはイライラしていようが、言っていることに一本筋が通っていなければならないものでしょう。そこはさすがに踏み外していることはなかろうと思います。いわゆる「正しい」ことを述べているのです。

 

ところがこの「正しい」こと、取り扱いがやっかいな代物です。使い手の期待する役割をなかなか果たしてくれません。文字通り「正しい」ことなのですから、誰も異議を挟むこともないでしょうし、受け入れられることによって状況は良くなっていくはずなのです。それなのに、そうならない場面が至る所で見られるのはどういうことでしょう。

 

今は夏休みですから、「規則正しい生活をしましょう。(昼寝ばかりするな!)」「計画的に学習に取り組みましょう(早く宿題しないと夏休みが終わるぞ!)」などという話になります。あるいは、普段からでも「日頃の積み重ねが未来の財産になります。(今やっておかないといつか困ることになるぞ!)」などと、言葉や口調が違っても、同じ意味の「正しい」ことをそれぞれの立場から、子どもたちは「アドバイス」として受け取っています。

 

たしかにこの「正しい」アドバイス、受け取る側にとって不利益となることは何もありません。アドバイス通りにすれば、夏休みの後半からはゆったりとすることができる、体調も壊しにくくなる、このような「筋の通った」話に、受け取る側も反論する余地などなく、時には自分の明るい近未来像をイメージしては楽しい気分にさえもなります。それでも、いざ実践となると、すぐにとりかかる人、それまでとあまり変わらない人と、人それぞれで違った反応が見られるのです。

 

ある人は、人が本気になってスイッチが入るのは二つの場合のみと言います。一つは自分が心から夢中になれることをやっているとき。大好きなスポーツをやっている時や絵を書いている時、あるいはゲームをやっている時などです。これは説明不要で納得できます。もう一つは切羽詰まってやらざるを得なくなった時です。先の、たまった夏休みの宿題をかたづけるイメージなどが真っ先に浮かんできます。

 

それは、子どもたちにとっては切実な場面で、確かに緊張感が走る場面には違いありません。だけど、広く見れば二つ目の例は大人の社会の方に広く蔓延していると言っていいかもしれません。仕事の場面で、あるいは日常の場面でも途絶えることのない新たな課題・トラブルの処理を日課として日々ご苦労なさっている方が少なからずいらっしゃるはずでしょう。多くの場合が、その背景には「楽しいから」という理由など入り込む余地はなく、それでも立派に遂行していらっしゃる方たちがご家庭を、地域を、そして社会を支えています。

 

子どもたちにとって、勉強するということは「正しい」ことであっても「楽しい」ことではなくなっているのかもしれません。それでも本気でやる場面を要求されるのなら、一つ目の「夢中になる」でスイッチを入れることができません。そうなると、消去法で二つ目の状況を設定してスイッチを入れるしかありません。人によっては無意識にそのような行動に自らを持っていっているのかもしれません。振り返ってみて、私たちは子どもたちにいったいどのスイッチを入れようとしているのか?とも考えてみます。

 

つい先日のこと、「生徒たちが夢中になって勉強をしたくなる学校にしていきます。」と語られる、ある公立高校の校長先生のお話を聞かせて頂きました。この方は、「正しい」からよりも「楽しい」にスポットをあてて、生徒たちの進路を切り開いていこうとされているようです。いずれ、このことに触れる機会があれば深く採り上げてみます。

 

そろそろ9月の背中が前方に見えてきました。いつまでも太陽の放射熱をため込んでいないで、クールダウンを図っていこうと思います。涼しげな気持ちで、生徒たちと実り豊かな秋を迎えたいものです。

(09.8.18)

 

 

クョスコニョ    [1] 
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