学習指導の背景
●このページでは学習指導への関わりで、当館がどのようなことを考えているかできるだけ分かりやすく書いてみました。少し理屈っぽさが感じられるかも知れませんが、当館には「根拠のないことは語らない」という思いがあります。読まれる方への精一杯の「おもてなし」と捉えていただいて、寛大な気持ちでごらん下さい。
■最近、気になっていることですが…
人が能力を伸ばしたり成果を上げるきっかけは2つあります。1つ目はおもしろくて夢中になれること。そして、2つ目はせっぱ詰まって追いつめられることです。大人であれ子どもであれ、いずれでも能力を伸ばしたり、成果を上げることは可能ですが、どちらのきっかけを好むかは申し上げることもないでしょう。
下のデータがちょっと気になっています。2002年11月日本青少年研究所調査の「中学生の意識調査」です。(*記載承諾済)2つのデータを見ると、日本の中学生は自分を認める度合いが低いことを示していることが分かります。自分に自信がない人が多い、と言っていいかもしれません。多くの中学生がなぜこのような意識になっているのか気にならないでしょうか?
(下へ続きます。)
(上からの続きです)
ここで、自信を持てない子どもさんの立場で考えてみます。そもそも「自信を持てない」の前提に問題があるかもしれません。「自信を持たせてもらえない」子どもさんの方が、実態には近いような気がします。彼らは成長するためのきっかけとして‘せっぱ詰まった状況’を提供されます。
「そんなことをしてると、差をつけられるよ。」
「今やっとかないと、後で困ることになるよ。」
「何でもっとできないの?」
などなど、大人でも受け止めたくないな言葉を、速射砲で毎日浴びせられるとしたらどうなるでしょうか。
自分の長所を自覚する前からこれを繰り返されると、最初は理想に近づけない自分にいら立ちを感じるでしょうが、そのような状態を長い期間維持することが苦しくないわけがありません。速射砲を浴びても「自分にはあたっていない」と思いこむようになり、やがて感覚を意図的にマヒさせるテクニックを身につけていきます。しばし見せる笑顔の中にも、目の奥には心から笑えていない気持ちがあるように思えてならない場合が年々増えているようです。
そして、これは例外的な少数の子どもさんたちの話ではないことが気にかかります。日本の中学生の10人に7人は自分の価値に疑問をもっていることをデータは語っているわけです。
「誰がこんなふうにした?」
「責任はどこにある?」
こうした責任の所在を問うことも必要かも知れません。質問の矢は誰に当たるか分かりません。ひょっとしたら、「塾だ!」とおっしゃる方もいらっしゃるかも知れません。そうであるから当館としても大事に考えたいことがあるわけです。次の言葉をごらん下さい。
「子どもの価値なんて考えなくていいから、学力だけあげてくれ。」
冷静に考えれば、これが一般的に受け入れられる言葉かどうかは分かります。そして、学習塾がこれをどう受け止めるか、これも大きな課題であるように思えます。
■青葉学習館が役立つ方法@
もともとが教育畑出身ではないので、別の立場の視点で教育を見ることは今でも容易にできます。荒っぽい言い方になりますが、企業に入って評価されるのは「成績だけじゃない」ということも身にしみて実感してきました。実力ではひけをとらないと思っていた同僚たちにどんどん先に行かれました。新入社員時代の自分に欠けていたのは「押しの強さ」と「自立心」。前者は未だに身についていませんし、つけようとも思いません。ここまでの話は何のお役にも立たない話です。
それはともかく、こうした過去の経緯から、評価されない者のつらさ・悔しさは実感できるところです。
「もっと良いところを見てくれればいいのに…」
生徒さんのこの思いには、誠意をもって答える必要があります。当館が心がけるところです。その人の評価が子どもの時と大人になってから全く変わってしまった例は、アインシュタインやエジソンたちを引き合いに出さなくても、身近で見られることでしょう。当館は、生徒さんのよいところを引き出すお手伝いをしたいと考えています。
例えば特定の分野にはズバ抜けた能力を持ちながらも、総合的に各教科の基準に当てはめると評価の低くなってしまう子どもさんがいます。こうした子どもさんたちが自分の能力に自信を持てなくなるのはちょっともったいない気がします。人材の大きな損失です。退廃的な言動が日常化していますが、これらをスカッと好転させていく人とは、規格化された能力に求められるではなく、変化に対応できる創造力をもっている人だいうのは、およそ想像されるところです。当館は、自分たちの行う学習指導がその人の才能を損なわないかどうかを判断の基準のひとつにしています。
■青葉学習館が役立つ方法A
単語にすれば味気ないですが、それは「良質の情報提供」ということになります。青葉学習館の対応は、最初に持たれる印象よりもはるかに現実的です。「どんなにもっともらしく聞こえても、根拠の言えない理論は採用しないし、そんなことでは決して動かない」というスタンスです。次のようなたとえでお分かりいただけるでしょうか?
問 題
10本のくじの中に当たりが1本だけあります。このくじを2人がひく時、先にひく人と後に引く人とでは、どちらの当たりの確率が高いでしょうか?
答を求めてみます。先にひく人の確率が10分の1であることは分かります。そして後からひく人は、前の人がはずれた時だけくじをひけるのですが、その確率が10分の9。くじを当てる確率が9分の1。10分の9×9分の1=10分の1で、正解はどちらも同じということになります。計算してみると納得していただけるでしょうが、そうでなければ先の人が有利、と思われるかも知れません。そこに、こんな言葉をかけられたらどうでしょう。
「早くしないと損しますよ!」
その気になってしまうかもしれません。でも、本当は乗っかってしまう必要はないのです。
手前味噌な言い方をちょっと許していただければ、当館の情報収集はかなりいい線をいっていると思います。これらの情報を読み取っていけば、子どもさんたちをとりまく教育の実情は明確に分かってきます。高校入試を見て下さい。ここ5年だけ取り上げても、毎年枠組みがどこかが違っています。そこに「昨年同様」の進路指導を行うことがどれだけ現実離れしているか、事実を見ることによって分かってきます。当館は、現状に対して色をつけた解釈や、主観で断言をしたりせず、事実のみを寄り拠としています。
ここまでお読みいただいた方、ありがとうございます。
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