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気になる教育事情から

  新学習指導要領がスタート 完全実施へ向けて
 

(前のページからの続きです)

学習内容の変化 −追加へ向けての動き−

 

授業時数の増加にともなって、学習内容も小中学校で戦後はじめて追加されることとなります。具体的には、現行の学習指導要領が施行された2002年より以前の学習内容に近い状況となります。

 

現在の学習指導要領は、「完全学校週5日制」や「学習内容3割削減」、あるいは「総合的な学習の時間」の新設等による「ゆとり教育」の推進を大きな柱としてきました。一方で、現行の学習指導要領は導入される前から「学力低下」等が懸念され、いろいろと話題にされていたことは記憶に新しいところです。

 

右のグラフは、OECDが3年ごとに実施する国際学力調査における日本の順位です。2003・06年とも調査結果が発表されると、「日本の学力低下」が、多方面で大きく採り上げられました。

 

今回の指導要領改訂で、学習内容がボリュームアップすることと、このような調査結果は無関係であるとは言えません。文部科学省は、新学習指導要領広報誌『生きる力』の中の“子どもたちの現状”という項目で、「読解力や記述式の問題に課題があります」という見出しとともに、上記調査結果の日本の順位を掲載しています。

 

また2006年度から、実は中学校の教科書はすでに改訂されており、現在の学習指導要領が適用される中で、従来の教科書より約1割ほどボリュームアップされた教科書が学校現場で使用されています。学習指導要領の変更なく学習内容を変更させることはできませんが、増量された部分の大半は学習指導要領の記載外項目である「発展的な学習内容」です。

 

これらの学習内容は、現行の指導要領においても、各学校で必要とされるならば指導してもよいとされています。(下と左の資料をご参照下さい)学習内容の増加へ向けての動きは、すでに数年前から始まっていたと言ってもよいでしょう。

○学習指導要領は最低基

 

  学習指導要領に示す「各教科,道徳及び特別活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。
 学校において特に必要がある場合には,(学習指導要領に)示していない内容を加えて指導することもできる」

現学習指導要領  総則/抜粋

 

学習内容の増減の実際

 

下の図は、左側が学習内容が削減されて現在の学習量となっていった経過で、右側が、今後学習量の増加にともなって、新しい学習量になっていく経緯を簡略化したモデル図にしたものです。

 

現在の小中学生の学習量は、2002年以前をIとすると、およそFほどとなっています。削減されたBの部分は、算数・数学での「場合の数」や「不等式」のように上の学年、学校へ移行されたものや、「台形の面積の公式」のように、「自ら考える力」(?)と引き替えに削除されたものがあります。

 

前回の学習指導要領改訂では、学習内容の削減とともに土曜日の授業がそれまでの隔週実施から完全になくなったことで、週あたり2時間ずつ授業時数も削減されました。しかし、学習内容のいわゆる「3割削減」は授業時数の削減よりもまだ多い量であって、そこには「総合的な学習の時間」という新しいスタイルの授業が、改革4本柱の一本として充てられてきました。

(下へ続きます)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(上からの続きです)

これまでの学習量削減の方向へ向かう改訂は、「現在やっていることを学習しなくなる」という点では、移行はさほど困難ではないと言えるかもしれません。今回の学習指導要領改訂は、戦後はじめて学習内容の追加をともない、「現在やっていないことを学習するようになる」改訂です。後述しますが、これから2〜3年の移行期間は「教科書に載っていないことも学習するようになる」ということも起こります。

 

新指導要領へ移行が完了すると、前回の指導要領改訂で削減された内容がほぼ復活しますので、Bのボリュームの学習内容が追加されることになります。余談ながら、現在の学習量Fでの学習は、すでに7年を経過して児童・生徒たちに定着しているものと思われます。そうなると現在の学習量を基準としてIとすれば、従来のBの量は現在ではCを超える(同じ量なのに多いと感じる)量として受け取られるかもしれません。

 

また移行期間終了後は、小・中学校で授業時数が各学年とも週あたり1時間ずつ増えることになります。(小学校では、移行期間から実施されます。)しかし、週あたり2時間ずつ減らして削減した学習内容を、その中に戻していくということを考えれば、どうしても困難が予想されます。こうした事情も背景に置いて、「総合的な学習の時間」は大幅に削減され、中学校での「選択教科等」は原則廃止されていく方向です。

 

【新学習指導要領/学習内容についてのまとめ】

これまでの改訂で…

 

●戦後これまで増やされることはなかった

●「学力低下」がとりあげられるようになってきた

●部分的に学習内容を増やす動きが出てきた

 

今回の改訂では…

 

●学習内容が戦後はじめて増やされる

●増やされる学習内容は移行期間から先取りされる(先行実施)

次の頁では「移行措置と先行実施」について見ていきます。

(次のページへ続きます)

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